大学院入学を考える学生の皆様
電磁工学研究室よりメッセージ
「電磁工学研究室」では,モータやインダクタ,アンテナ,超電導機器などの電気電子機器の設計最適化に関する研究を行っています.これらの設計では,望ましい性能を持つような機器を得るために,形状や材料配置を最適に決定します.最適化では,遺伝的アルゴリズムなどの確率論的最適化手法と数値電磁界解析手法を駆使します.今後,企業などの設計にはこのような最適設計技術が普及していくと考えられ,このテーマに取り組んだ学生さんの将来の活躍が期待されます.
また本研究室ではワイヤレスセンサ(スマートセンサ)の研究も行っています.このセンサは外部のアンテナから放射した極めて弱い電磁波のエネルギーで動作し,構造物などの安全データ(温度や塩分濃度など)の測定値を電磁波にのせて返します.すなわち,遠方からセンサに向けて電磁波を放射するだけで,その点の温度等を測定できます.またこのセンサの動作をアシストするための環境発電に関する研究も行っています.環境発電では,構造物の微弱な振動やテレビなどの電磁波からエネルギーを得ます.このような装置の開発は世界的に始まったばかりですので,若い学生さんの斬新なアイデアが必要です.上記の他にも,電磁界の新しい可視化法や高速電磁界解析法の開発などの研究も行っています.本研究室の研究テーマは,長い時間をかける基礎的なものもありますが,今の時代に役立つ工学的な研究テーマも多いため,企業との共同研究も多くしています.本研究室の学生さんは,企業の方々との打ち合わせを通して,最新の技術動向や,企業のニーズに加え,エンジニアの仕事の内容や社風など多くのことを知ることができます.
本研究室では3次元プリンタを用いた振動発電機の開発やRFIDアンテナの設計・測定などの実験的研究と,最適化や電磁界解析プログラムの作成などソフトウェアによる研究を行っていますので,ソフトとハードの両方を身に着けることもできます.また本HPの研究業績欄を見ていただければわかるように,研究活動を非常にアクティブに行っています.多くの学生さんは,修士課程のうちに米国やヨーロッパなどで開催される国際会議に出席します.多い人では,修士課程中に4,
5回も外国の国際会議で発表します.博士課程の学生さんは通算で10回以上,外国で開催される国際会議に参加します.またドイツの大学に留学した学生さんもいます(週末にはイギリスに行ってサッカー観戦をしていたようです).修士,博士課程の学生さんのどちらも,就職は極めて良好です.
ぜひ,われわれと一緒に研究を行い,新しい技術を創りませんか.そして工学,情報科学の力でこれからの世界の人々に貢献しませんか.当研究室の受験を希望する場合には,五十嵐教授*または野口准教授**にメールにて連絡して下さい.研究室見学や研究内容の説明など,できるかぎり対応します.
*igarashi(at)ssi.ist.hokudai.ac.jp, **noguchi(at)ssi.ist.hokudai.ac.jp